二度目の転職を超えて

試用期間を乗り切った

この記事を書く半年前に人生二度目の転職を迎えました。

転職先の会社は試用期間が比較的長めで半年ありまして。期間以外になにか違いがあるわけでもなく、試用期間で飛んでいく人がいるわけでも無いのですけれど。とにかくなんとか無事に試用期間を乗り越えることができたタイミングであります。

転職などありふれた話。大して面白いことなどありはしないのですが、ふと気まぐれに昔やっていたブログに文章をしたためる楽しさを思い出して懐かしんでみちゃったりなんかしたりしてね。久しぶりにやってみようという気分になったわけでございまして。最初の題材として転職ネタをチョイス。

どんな転職だったのか

私の職種的にはいわゆるバックエンドエンジニアと言うやつです。アーキテクトということにされていたこともあったかもしれません。転職当時の年齢は40歳。

この記事を書いた時点(転職半年後)での職歴はこんな感じで、この記事は2社目から3社目への転職のお話になります。

職歴在籍期間概要
1社目12年6ヶ月新卒で入ったいわゆるSIer的な会社
2社目4年10ヶ月ECやってる会社
3社目6ヶ月事業領域は秘密ですが自社のサービス/プロダクトを作る会社

40歳のおっさんだった私にしてはなんともまぁ軽いノリの転職だったような気がします。ぬるっとキメてぬるっと辞めてぬるっと入る感じ。まぁ人間年を取るとできる転職できない転職あう転職あわない転職ってなんとなくわかってくるものじゃないですか、的な。

と言うだけでは面白くないのでいくつかの観点で振り返ってみます。

転職動機

嫌な予感がした

まとめると本当に1行なんですが・・・しかし端的に言うとそういうことだというのは偽らざるおきもち。労働環境にも不満はなかったですし、自覚はなかったですが周囲からの評価もそれなりに高かったようで給与も順調にあげてもらっていたのですが、退職を考えてしまうような空気を感じてしまったということです。

嫌な予感は大きく以下の2つ

  • 偉い人と思想があわない
  • 居心地の悪化

まず1点目。

前任者の退職などもあって新しく所属部門長がやってきて2年位でしたがまぁあわなかったですね。組織運営方針も事業貢献のアプローチも全てがあわなかったし、私にはその方のやり方が実を結ぶ未来が全く想像できなかった。それ以上にこの人会社壊しちゃうんじゃないかな~という気さえしていました。そんな感じだと流石についていけなかったですし、ついていかないほうがお互いに良いんじゃないかとさえ感じました。

丁寧にコミュニケーションをとって相互理解を深めたら良かったとかいう話ではなく、根本的な思想からして相容れなかったというおはなしです。コミュニケーションを取ること自体がストレスになるような相手でしたし、ましてや相手の方が立場は上。会社に選ばれた偉い人の考えることなのでそこを変えたければ「アンタじゃムリだ オレがかわる」とか言い出さなきゃいけないわけでして。私自身それができると思うほど自信過剰ではなかったですし、仮に自分がその立場になったとして示すであろうビジョンは経営の意向に反するものでしかなかったと思います。私の思考が現実的というか悲観的な発想に寄っているので楽観的なことは言わないという意味で。

まぁ人と合わないなんてよくある話ですよね

続いて2点目。

高めに設定された目標に対して、目の前にあるシステム・プロダクトの現状、複雑に組み立てられたオペレーション、質も量も十分とは言えないヒューマンリソース。その現状を踏まえて自分たちは目標に届く、将来に渡って届かせ続けられるという展望を持てる状況では全くなかったという感じでした。今風に言えば組織効力感がない状態と言うやつ。

クリアできないゲームはクソゲーですからね

加えて目標に届かない気配に対して社内の空気が悪くなる力学が働く社風だったんですよね。それ自体は当たり前といえば当たり前なんですが、空気悪いの好きじゃないんですよ私。ゆるい雰囲気で同僚と楽しく仕事しながらそこそこのおちんぎんが貰えればというスタンスなので、そこが揺らぐ気配を感じてしまうとちょっとね。

夢が叶わないからって不機嫌になられても困る

こんな発想をしてしまう時点で恐らく私は好ましくない社員だったと思うので退職を考えてしまうのもやむなし・・・というかきっといなくなったほうが良かったのではないかという気もします。実際に在籍中にやっていた案件に区切りをつけた時点で自分にできることは全てやりきったという感覚を持っていましたし、それ以上のことは私じゃない人でないと難しいという認識でしたしね。

その他もちろん細かく見れば不満に感じる点がなかったわけでもないですし、あう同僚あわない同僚それぞれいましたがそれらは些細な話だったように思います。完璧に不満のない職場なんて何もしなくても誰にも会わなくてもおちんぎんが振り込まれる職場以外にはありえませんからね😇

転職先の会社はすごくいい会社で結果だけ見れば非常に前向きな転職になったと思ってはいるけれども、転職を考えたきっかけとしては本当に嫌な予感がしてスッと回避したみたいな感じです。世間のイケてるエンジニアみたいにやれチャレンジだやれキャリアアップだみたいな動機で転職なんてしないもんですよ普通の人はさ。

9割方なにかネガティブな理由があって辞めてくんですよ人は

もしかしたら未来においてすごくいい状態に巻き返している可能性も多分にあるんだと思いますが、現時点で私とあわなかったのだからやむを得なかったということですかね。

というわけでこの話はここでおしまいなのでした

転職先選び

上とあわないってだけで別に辛いとか苦しいとか困っているわけではなかったので転職できれば何でも良いというわけではなかったわけでして。自分の生活を思い返したり家の中を見回して自分が利用しているサービスを提供している会社でスキルセット的に行けそうなところを探しました。

事業貢献することで自分にも良いこと無いと張り合いが無いなと思って

結果として最も自分に身近と言っても過言ではない企業から内定をもらいました。今までの職歴の中では一番知名度の高い会社でもありますし、何より私自身が長いことユーザとしてお世話になっている会社なので非常に光栄に思います。仕事内容・給与面もまったく問題なし。結果だけを見ればキャリアアップに成功したと言って良いでしょう。

入れるもんなんやなって思いました😇

転職先での仕事

実は自分の得意領域をすごく活かせているという程ベストマッチではなかったと思います。それでもこれまで培ってきた地力でぬるっと馴染めてるなという感じがしますね。結構年季の入った自社サービスシステムの機能追加とかリファクタリングとかが主な仕事なこともありますが、結局のところ役に立っている能力はこんな感じ。

  • 現場の状況に泥臭く向き合って開発ができること
    • 流行りの手法やプロダクト・サービスを盲信しない
    • 技術負債的なモノがあっても腐らない
    • 自分の成功体験を過信しない
    • その上で根拠のある主張はしっかりする
  • 必要十分なさじ加減のドキュメンテーションができること
    • 受託開発のように無駄に凝らない
    • 勢いだけの自社開発のように軽視しない
    • 当然ある程度読みやすく書けること
  • システム開発において考慮すべきことに当たりがつくこと
    • 「ここでのやり方」を理解するのに十分な引き出しがあること
    • もちろん技術的な観点だけでは無い

みたいなね。

もちろん技術的な素養・経験も必要だとは思いますが、基礎的なものが身についていれば十分に思います。必要な技術やサービスの利用方法は必要になったときに学べば十分かと。全面的に否定するわけではないですがインターネットでよく見る流行りのテクノロジーとか手法の薄っぺらいキャッチアップに余念がない面々が活躍できる整った現場なんてそうそう巡り会えないと思うんだけどなぁ。

エンジニアの仕事はベタ足インファイトだZe!!

バリューの出し方がそもそも違ったりもすると思うので良し悪しでは全然無いけれど、いんたーねっとで強そうにしているエンジニアのみなさまの中でどれくらいの人が現場の泥臭い課題を着実に潰していくようなムーヴができるだろうかと考えてみるとあんまりそういうイメージは湧かないんですよねぇ。ちゃんとすごい人はすごいんだろうし実際すごい人も存じ上げてはいるんだけどさ。

まー例えばモダナイゼーションに向けた意思決定を経営層に通すための威を借るためにつよつよな人を技術顧問に据えて、みたいなのも過去には目撃したけれど。あんまりいい手には見えなかったし威を借りられる立場も羨ましいとは思えなかった気もしますなぁ。あとはそれっぽい経歴らしい「新しく来た偉い人」みたいなのが失敗しまくるのをたくさん目撃してしまったしなぁ。。。そういうのってまぁ難しいですよね。もちろんケースバイケースでしょうけど。

転職慣れ

二回目ともなると転職自体はある程度慣れたものになった気がしますし、最も大きかったのは採用する側として書類選考や面接を経験していたこと。自分が何を見て書類選考をしているのか、どういう受け答えを期待して面接をしているかという解像度が高いと自分の職務経歴書も面接の受け答えも自然と洗練されてくるものです。求めている活躍の仕方が期待できるスキルセット・経験であることを確認するのは当然なのですが、何を持ってそこを確認するのかといえば本人の言葉で語られるエピソードトークだと思っています。

過去の経験に対してその背景や状況、どのような課題にどんな姿勢で向き合ってどの程度の成果を上げたのかを自分の言葉で高い解像度で語れることが重要だと思っていて、その上で合う合わないの話ですからね。職務経歴書はただ無機質に経歴を列挙するのではなくてエピソードトークのフックになるような内容を書いてほしいと思っていましたし、少なくとも私はそのように書いていたつもりです。併せて自分の経験をしっかり棚卸ししておけば想定問答の質も量も向上しますしね。

一回目の転職との違い

思い返せば1回目の転職とは随分アプローチの違うものになりました。

最初の転職はとにかくとにかく辞めたかったという転職でした。新卒で入った受託開発をやっている会社は今でもちゃんとしっかり大嫌いですし、転職先選びもスキルセットがマッチしていればそれで良いと思っていました。

結果それで何の後悔も無い転職になりましたが、おかげでいざ二回目の転職となると縛りが発生していまいました。受託開発スキームの世界にはどの階層であっても最早戻れませんし、かと言ってコンサルみたいな仕事は向いてない。他にも例えばソリューションアーキテクトやサポートエンジニアみたいな仕事上のアウトプットがダイレクトに自社の事業貢献にならない仕事を始める気にもならなくて。

自社サービスの開発をやっているところでかつ自分で利用していたりそれなりの興味があるサービスをやっているところじゃないと自分の中で折り合いがつかない気がしてました。加えてベンチャーみたいなところでカリカリしたいわけでもないのである程度の規模が既にあるところ。

贅沢な条件ですがよく決まったもんですなHAHAHA

タイミングとめぐり合わせの妙と言うやつですけれどもね。

最後の転職

さて。

これが恐らく最後の転職になると思います

今のところ何の不満も無いということもありますが、ライフプラン的にもう少ししたら金銭的な余裕も出てきそうなので次に転職を考えるような状況になれば会社員として働くのをやめるかリタイアしてしまうかなぁ~という感じですかね。

とりあえずは今の会社の役に立てるように頑張って行こうと思います😌

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